「大学を親の権限で辞めさせる!」

とまで言い出したので、

「だったら、私が仕事をして大学に行かせる」

と言うと、

「お前が仕事をした時点で離婚だ!」――と。

「今、離婚て、言ったよね。わかった離婚してあげる」

と、口には出さなかったが……。(ちょっと早いけど……これからのこと、真剣に考えないと……)

その後に送られてきた孝雄からのメールは……。

――午後二時五十一分。

〈先ほどは、すみませんでした。一番言ってはいけない言葉を言ってしまいました。ごめんなさい。景子はいつも懸命に尽くしてくれていて感謝しています。離婚したいなどとは、決して思っていません。本当に、すみませんでした〉

――午前〇時四十五分。

〈朝帰りになります。こんな時に、すみません。どうしても帰ることができなくて申し訳ないです〉

――午前一時七分。

〈本当にすみません。景子に早く謝ろうと思っていたのですが、朝になります。ごめんなさい〉

だが、そうして朝になって帰ってきても、私に直接詫びることはなかった。目を合わせようとすらしない。晴香さんとの浮気についても、依然として口をつぐんだままだし……。

その後の生活ペースも相変わらずで、殊(こと)にゴールデンウィーク中は泊まりが多く、ほとんど家にいなかった。休みがまったくないわけはないだろうに、とにかく

「仕事だ! 仕事だ!」

と言って、入院中の母親を見舞うこともしなかった。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『夫 失格』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。