明媚な風光

最近テレビなどでさかんに糸島半島の海岸線の美しさと、海の幸の美味しさを、中継やあるいはドラマに取り入れ放送している。

全国放送でもよくやっているので、遠くの人からも声が掛かってくる。

「このあいだテレビ観てたら、焼き牡蠣(かき)のシーズンで美味しいって言ってたけど、何処に行けば良いの?」

「海岸をドライブしながら桜井神社に行ったよ! 古そうで静かなところですね!」

福岡市内から車で四十分もあれば着く。

まあ、(たま)にドライブがてらで来て、海がきれいとか、いいところね、と言われる事が多くなって来た。

その都度「ハイハイ、実にいいとこですたい、ぜひ来てつかあさい」

と、いちいち応じる事にしている。

ここの海は日本海側で西北向き、朝陽には恵まれない。

山の端に消える春の夕陽や、水平線に沈む秋の落日も、実に美しくて荘厳である。

天気の良い日はこれからのシーズン、稜線に真っ赤に燃える太陽を眺めながら帰途につく、これなどはまさに満足感に浸されるシーンでもある。

伊都キャンパス

福岡市と前原市、そして糸島郡志摩町に掛かるところに、ここ数年がかりで国立九州大学が移転して来ている。

相当以前から計画され、広大な山林を伐採し、丘陵を削り建築されて来たもので漸く出来上がりつつある。最初に工学部が入り、最終的には医学部を除き、殆ど来るそうだ。

まだ数年は掛かりそうであるが、今年の三月頃から福岡市内南部にあった教養部も引き払い、大移動が始まったと報じられている。現在、昼間の人口が一万人になったとか、その為にJR九州は駅まで新設し、便宜を図っている。

そして、こんな田舎も愈々いよいよ来年一月一日を期して市になるそうだ。

前原市、糸島郡の志摩町、二丈町が合併し、糸島市となる事が住民投票などを経て、決定したもの。

JR筑前前原駅にも「糸島市誕生まで、あと〇〇日」と表示が出て、カウントダウンが始まった。

来たる年の年賀状には、郡ではなく糸島市……と印刷して投函しよう。

平成二十一年三月

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『孫の足音』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。