「正しい考え方」とは?

正解のない時代と前項で説明しました。同様に、「正しい考え方」も不明確な表現です。自分にとっては正しいと思うことが、相手にとっては正しいとは思えないこともあります。そこで、私が定義する「正しい考え方」とは、「自分にとって正しいと思えること」です。

「人として」正しいと表現しても価値観が多様化する現在、さらに不明確になります。「当たり前ですよ」と誰かに伝えても、私にとっての「当たり前」となるので、すべての人にそれが通じるかどうかはわからないのです。

一方で、私が定義する「自分にとって正しいと思う」正しい考え方とは、単純に自分本位のわがままをベースにしたものではなく、2人以上で構成する社会においては相手のことを、社会的に考えてみるということです。究極的には人類としてそれがどうかと考えることも必要です。

もちろん、最終的には自分の視点での判断となりますが、自分の価値観を大切にしていくには、「社会に生かされている自分」を強く意識することが必要です。つまり、ほかの人たちの価値観を尊重したうえで、正しいか正しくないかを考えます。

先に述べたように、いくら考えても「正しい」と自分が思っても、他人はそう思わないかもしれません。たとえ世界中があなたの「正しい」を認めなくても、相手に配慮した考え方、もしくは十分に社会配慮した考え方であると自分が感じるのなら、それがあなたにとっての「正しいこと」なのです。

いずれあなたの考える「正しいこと」も人生の経験や学びで変わることでしょう。それは仕方のないことです。過去も未来も関係ありません。あなたがいま、与えられたもののなかで「正しい考え方」をすればいいと私は思うのです。

そうでないと基準がなくなります。その正しいことを行動に移すためのクレドを自己に課し、そして、原理原則を学ぶのです。

口で言うのは簡単ですが、道は険しいかもしれません。しかし、今日という日を満足に行動できなければ、幸せを感じることはできません。最終的に自分は社会のため顧客のために最大限を尽くしていると認識できれば、自分を信じられるでしょう。

あとで「やっぱり、この考え方は正しくない!」と感じたら、修正をすればいいのです。すべてが「いまの最適化」だと考えてください。あなたの会社の考え方を受け入れられない企業もあるでしょう。実践的に学ぶこともあるでしょう。書籍から学ぶこともあるでしょう。

経営者としても、人間としても間違いなく、あなたは進化しているのです。であれば、過去に「正しい」と思ったことも変わるのです。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『惹き寄せるチカラ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。