丑年の正月

昨年は寒い正月であったが、長女夫婦と孫が来てくれた。賑やかだった。今年の正月は、代わって年末から次女夫婦の来福。姉妹が交代で来てくれるのは有難い。

この夫婦は、結婚以来初めての正月帰省。以前は娘達だけだったが、昨年からそれぞれのつれ合いが加わってから、一層賑やかになった。「お母さんの作った博多のお雑煮が食べたい」と、いつもの殺し文句を使ってくる。妻としても悪い気はしないのだろう、腕まくりをして昨年に続いてせっせと動きまわった。

年末の三十日は、早速ふたりを連れて買い物に行き、近所の漁港で泳いでいる(ぶり)(たい)を一匹ずつ網ですくって貰い、買って来た。新鮮なうちにとその日の夕食の刺身と、あとはお雑煮の具とする。これはやはり都会では味わえない醍醐味であろう。次女夫婦は、東京に住んでいるので、新鮮な魚介類がよかろう、と読んだのだ。

勿論私も賞味するとき、日本酒の手酌で参加した。婿ドノは、酒はあまり強くない。しかし、嫁の影響もあってか、最近は腕が上がってきている。ビールなどホドホドに付き合ってくれる。

昨年の正月は、二人して所沢・小手指の実家に行ったそうであるが、後日談によると、本人は風邪で臥せっていたのに、義父の酒の相手をして、ガブガブ飲んだのは、ヨメだけであったとか。酒飲み一家の娘であるから、親があれこれ言えた義理ではないが。寛大で包容力のある、先方の親御さんに感謝申し上げたい。

今回は、その婿ドノを迎えて楽しい正月を過ごしたわけである。先ず大晦日は午前中に、これも遊ぶ事なら何でも好きな娘のリクエストでゴルフの練習場に赴く。三人で練習。

特に次女は本業がひまな時に、ゴルフガーデンでバイトをしているそうだが、そこの経営者は、立て込んでいない時には、練習もさせてくれる優しい人だそうだ。バイトのついでに自分の腕も上げてコースに出たいとの欲望がある。それで、近所の練習場に行って、私の(にわ)かコーチでクラブを握った。