日本で発生している記録に残っている大きな地震は表(図1-10)のようなものだが、東京周辺に関して言えば直近のものは1923年(大正12年)9月1日の関東大地震である。

写真を拡大 図表1.日本の歴史に残る大きな地震

マグニチュードは7.9と推定されており、都内で観測された震度は6だったが、その後現在に至るまでの100年近く、都内では震度6弱以上の地震は発生していない。関東大地震での死者行方不明者数は10万5000人以上だったが、このうち約9万2000人は火災による焼死者だった。関東大地震は東京の地震というよりはむしろ神奈川県の地震であり、建物被害などは横浜の方がずっと激しく、最も揺れが激しかったのは小田原付近と言われている。この地震の震源地についてはいまだに諸説あるが、相模トラフのプレート境界で発生した海溝型地震とされている。1703年(元禄16年)の元禄地震も類似のものと考えられている。

また関東大地震の前に発生した東京での大きな地震としては、その約70年前、幕末1855年(安政2年)の安政江戸地震がある。これは内陸の活断層によるものとされている。1995年(平成7年)の阪神淡路大震災と同じタイプのものだ。この地震では江戸城の櫓やぐら・門・塀・石垣など多くが崩壊し、今の中央区、台東区、墨田区、江東区あたりでは潰れた家が多く、死者は5万人とか10万人とか言われている。この地震は相模トラフで起きるものに比べ規模はひとまわり小さいマグニチュード7前後と推定されているが、震源が近かったせいか、揺れなどは関東大震災よりも大きく、今だったら大変な被害が出ただろう。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『自然災害と大移住』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。