話が逸れましたが、「共創」とは読んで字のごとく、ともにつくるという意味です。そして、共創はいまの時代が要請していることなのです。それは、これからのビジネスで高まるユーザーの欲求には、一社の機能価値では対応できないということを意味します。

満たされた欲求は、欲求にはなりません。人は常に新たな欲求を求め続けるのです。ポケットベルが便利だと感じた時代が終わり、大きな携帯電話、そして、小さな携帯電話、さらに現在のスマートフォンと変化してきました。現在、ポケットベルは日本では販売されていません。テクノロジーの進歩が人の生活様式を変えるのです。この点も小さな会社の経営者はフォーカスしておく必要があるでしょう。

そして、ユーザーの欲求を満たし、サービスを高め続けながら顧客を生涯顧客に押し上げるには、一つの企業では限界が来るのです。

ユーザーの変化を止めることはできません。したがって、企業はユーザーの変化に合わせるか、リードしていく必要がありますが、一社では対応できないのです。

となると、これからのアフターコロナ時代では、多くの業種のなかで淘汰される企業が増えるということになります。

そんなときにキーとなるのが、個性である希少価値を提供する専門的な「小さな会社」だと私は考えます。

ショッキングな話かもしれませんが、重要と供給のバランスと生産性の角度からも日本全国の企業数は減少を免れないでしょう。特に「小さな会社」が多すぎる現状は、日本の経済成長に大きなマイナスとなります。

「強い会社が生き残れるわけではない……時代に順応できるものが」と私の前職の経営者が全体メールで送ってきたダーウィンの進化論を引用したビジネス的進化論の解釈です。そして、生き残れる企業とは、原理原則にしたがい進化する企業だと私は思います。

希少価値を高めるにも、異業種との共創やアマゾンのようにほかのサービスを利用してさらに価値のあるビジネスを展開することが必要です。

ECサイトには、当然のようにクレジット決済や流通は不可欠です。しかし、もうそれだけでは不完全で、その先として「何を付加するのか?」、それを探し続けなければなりません。それがこれからのビジネスの新しい可能性です。

顧客の多様化した価値観をさらに高め、「これ欲しい!」とユーザーを唸らせる商品・サービスを開発してください。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『惹き寄せるチカラ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。