事実、食生活が肉や油の多い欧米食へと変化した結果、糖尿病や心臓病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病や、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、白血病といった欧米型のがんが増えてきました。

さらに、戦前はほとんど日本にはなかった心筋梗塞、痛風、脂肪肝などをはじめ、アトピーや膠原病(こうげんびょう)疫異常によるとされる疾病も増えています。

また日本人は、欧米人よりも塩分をとり過ぎる傾向にあるといわれていますが、塩分のとり過ぎは、高血圧症や胃がんをはじめ、さまざまな病気の原因になることはよく知られていることですね。

それと、腹八分目が健康に良いとわかっていても、おいしいものを目の前にすると、つい食べ過ぎてしまいます。身に覚えのある方もいるのではないでしょうか。

塩分のとり過ぎや食べ過ぎが健康に良くないとわかっていながら、なぜ自制しないのでしょうか。

おそらく、すぐには命の危険にさらされないと思っているからだと思います。「なあに、これくらいは大丈夫だ!」と高をくくっているのでしょう。

しかし、じつは、そこに「落とし穴」があるのです。

生活習慣病は、その名の通り、一気に症状としてもあらわれるわけではありません。日常生活の中で、悪い生活習慣が積み重なっているうちに徐々に進行し、ある日突然発症するものなのです。最悪の場合は、突然死につながる危険性さえあります。

本当はとても怖ろしい病気なのに、今すぐ命に危険がせまっているわけでもないし、痛いとか、かゆいといった自覚症状もないので、そういうことを「意識しながら生活しなさい」というほうが無理な話かもしれませんね。

今は特に問題はなくても、これから先もずっと健康で長生きするためには、生活習慣を見直すことが大切です。生活習慣の見直しは健康維持のための必須条件といっても過言ではありません。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『人生100年時代健康長寿の新習慣』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。