あなたの商品のことは、ユーザーは無知なのです

あなたの商品やサービスのことを多くのユーザーはよく知りません。なぜなら、あなたは専門家であり、ユーザーは素人だからです。

ですから、何かを売りたいのなら、前項で記載した機能価値をアピールするより、まず存在価値をユーザーに知ってもらう必要があります。それには誠実に仕事に打ち込むことです。

他人の自慢話を聞いていても、聞き手は愉快な時間とは感じないでしょう。自社の優れた点をアピールするのも同じことです。それよりも先に「あなたの話を聞かせてください」とユーザーの求めるユーザーの抱える課題を探る姿勢を見せるべきなのです。

これらの行為で、あなたと相手の関係が、お金と価値の交換ではなく、お金以外の価値と価値の交換だと感じてもらうことができます。

『7つの習慣』にある「理解をしてから理解される」という第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」だと私は考えます。

存在価値とは、あなたがユーザーにとって、「私の話を聞いてくれる正直で誠実な人」というイメージを与えることです。信頼関係を築くことがビジネスの最初の行動であり、商品を説明するのは最後の最後となるのではないでしょうか?

このように、ユーザーが求める価値を把握することがあなたの会社が初めにやることです。ユーザーが求める価値は自分と同じではないことを理解する必要があります。それは、自分の友だち像が明確になっていて、多くの友だちが抱える問題や課題を把握できるようにする必要があります。

そして、機能面の説明では、「自社の商品はこんなこともできます」と、その機能で可能な新しい価値をイメージさせることも重要です。

ユーザーは、何かの変化を求めます。言い換えれば「自分が変わるためのツール」を求めます。例えば、「このスマートフォンに買い換えると、デジタルに強い仕事のできる自分に見える」とユーザーが考えていたとしましょう。私たちには、この変化をイメージできるようなセールスが必要になります。

もちろん機能面について、それを行える機能を説明しますが、その前にデジタルに強く、仕事のできる販売担当であり、話しやすく誠実な雰囲気を醸し出す必要があるのです。