そのころ、アーニーとバートが地下室に二人を救出にきていた。

フジオカはなんと何事もなかったかのように息を吹き返していた。

「フジオカ……大丈夫なのか?」

「はあ、隙を見て郭の銃弾に細工をしておいたんですが、まあ普通の銃弾でも私の背中を貫通することは難しかったでしょうね」

「お嬢さん、こいつの体は、鍛え方が尋常じゃないんですよ」

「それにしても、周囲数百メートルに共振を起こさせ地震の効果を起こす例の装置の効果は、抜群だったな。まあもともとドイツに地震なんて起こるわけないけどね」

「この派手なスモークも効いたって」

「あ、あなたたちは?」

「ああ、ご紹介が遅くなりました。同じ組織のメンバーの、アーニーとバートです」

「お嬢様、初めまして。よろしく」

須戸麗花は、フジオカに向き直って言う

「フジオカ、見事だ。私はお前を引き抜くことに決めたぞ」

「はあ……お嬢様何を言ってらっしゃるので?」

ところが同僚のアーニーとバートもそれを聞いてニヤニヤしている。

「もともとはおじいちゃんの須戸立覇が生きていたころにロシア政府の要人と進めていた話なんだが、ロシアの諜報員の腕ききを私の用心棒にトレードしてくれないかとな」

「……」

「フジオカ、お前を執事兼用心棒としてロシア政府から九千億ルーブルでもらい受ける」

「九千億ルーブル! 国家予算級ですね。それにしてもアーニーとバートも、このことを最初から知っていたのか」

「そうさ、今回の君のもう一つの使命は須戸お嬢様の『面接』に受かることだったのさ。そしてそれを君は見事にやり遂げた。おめでとう! ハインリヒ」

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『怨み・ハラスメント』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。