ここ数年は居酒屋や日本料理店で小さな造り酒屋の地酒を提供するのがブームです。

昔ながらの手づくりの味で、製造数量も少ないお酒ですが、いかんせん種類が多すぎて銘柄を覚えることができません。

繊細でおいしい日本料理にマッチした日本酒を求める時代になってきました。下火になりましたが焼酎ブームもありました。

いまも「森伊蔵」、「魔王」などの芋焼酎や麦焼酎「百年の孤独」はプレミアがついてなかなか手に入らないです。

北海道白糠町の「鍛高譚」は香り高いシソを使用したシソ焼酎です。

歴史は浅く、鍛高地区のシソを原料にジュースや焼酎をつくっており、1991年に企業に製品化の話を持ち込んだことがきっかけとなって製造されるようになりました。

白糠には一度泊まりましたが、太平洋沿岸の釧路市に隣接した小さな町で観光する名所旧跡はほとんどありません。

かつては複数の炭鉱で栄えましたが、いまはふるさと納税のお礼の品が充実しています。

徳島のすだち酎は徳島県産すだちの果汁を使用し、すだちの香りと酸味が特徴です。さっぱりとした飲み口がお気に入りです。

焼酎ブーム以降は地方の特産品を使った焼酎が発売されてきました。

近頃はワインも飲む人も多くなりましたが、その昔はワインといえば赤玉ポートワインで、1907年(明治40年)にサントリーの創業者鳥井信治郎さんがスペイン産ワインをベースに完成させました。

印象は美しい赤色と甘かったことです。

少し前に国税庁の発表したワインの2018年度の消費量は年間約35万kLで、日本人一人当たり年間750mlのボトル換算約4本です。

ちなみに1972年の消費数量は約8千kLですから、すごい伸び率です。

ワインは世界で最も多くの地域で飲用されているアルコール飲料の1つです。そのため極めて歴史のある古いお酒で、新石器時代に醸造が始まったとされます。

またワインつくりはブドウの栽培と醸造に二分できます。それゆえブドウの品種、土壌、気候、醸造などによって数多くのワイナリーがあり、ワインほど奥深いお酒はないと思います。

だからうんちくを語るワイン好きが多いのかもわかりません。

私はブドウの種類さえなかなか覚えることができなく困っていますがおいしい料理と会話をワインが引き立てる演出をすれば良いと思っています。

思い出の一つに、キプロスのワインがあります。

キプロス島は独立国家でしたが1974年(昭和49年)におきたクーデター(キプロス紛争)をきっかけにトルコ軍が軍事介入し南北に分断されています。

日本の四国の半分ほどの面積で2015年に訪れた日本人観光客はたった661名です。

いまから約10年前にクルーズで寄港したさい、キプロスワインは有名とのことで購入し、キャビンで期待をして飲みましたがまったく口に合わず、飲むことを諦めました。

理由はボトルの価格が1ユーロと超安かったからかもしれません。

地中海の島々には非常に安価なワインが多く、ミネラルウォーター代わりに気楽に飲めるのがありがたいです。

アルコールは味覚、嗅覚、視覚、聴覚によって飲むときの雰囲気が微妙に影響されます。

味覚は当然舌ですから、辛口や甘口を感じる酒があり、嗅覚では芋や黒砂糖の焼酎のように素材独特の臭いがあります。

ウイスキーやブランデー、ワインはほのかな香りや色、ビールはグラスに注ぐさいのあの音さえ、魅力的に聞こえます。

アルコールの香りと味などの微妙なハーモニーをゆっくりと楽しみながら味わいたいのは私だけではないと思います。

風邪をひいて熱があるとビールが苦く感じますが、そのためには健康でなければと思います。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『未来なに彩』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。