第2章 木はその実でわかる

(3)出さなかった相手

日本のカトリック教会司教団(およびその傘下組織)は、厳格な政教分離を要求してきた。その主旨による、政治家の靖國神社・伊勢神宮への参拝反対発言は14本を数える。

その、政治の中枢である国会で、カトリック教会が取り上げられた。平成26年3月19日、衆議院内閣委員会において、日本維新の会・中丸啓議員より、カトリック教会に関する重大な発言があった。少し長いが、公式の衆議院議事録より当該部分を次に転記する。

6─衆─内閣委員会─6号 平成26年3月19日

○中丸委員

(前略)それでは次に、最近、外務省の欧州局の局長宛てに持ち込まれた意見趣意書についてお尋ねします。これは、カトリック教会なんですけれども、岡山県の赤磐市議会議員から届けられている意見趣意書があったと思うんですけれども、バチカン市国から指名されて日本に配属されている、いわゆる司教の方々がどういったことを信者の皆様に対して言っているかということなんですが、ちょっと一例を挙げてみます。

反政府デモ活動への積極的参加することは信者の義務であると宗教指導、中核派や革マル派が主催する活動でも反政府デモ活動への積極的参加することは信者の義務であるとの呼びかけ、信者として反政府意識を持つように呼びかけ、反政府活動は信者の義務だと宗教指導、宗教の言葉を引用し日本型社会構造及び文化意識への批判を行い、反対運動をとるのは信者の義務だと扇動、憲法改正は戦争を起こす行為であるとの議論そのものを否定し、また、改憲反対活動を信者に義務として奨励し遂行、いわゆる従軍慰安婦なるものの存在を政府に認めるように求める活動は信者の義務として奨励、遂行、このようなことを全国のカトリック教会組織を用いて行っているようなんです。

ここだけ見れば、完全な反社会活動と言わざるを得ないような内容なんですけれども、それについてどうかという趣意書が出ているということなんです。外務省の参考人、きょうは来ていただいていると思いますので、その取り扱いを今どのようにされているか、教えていただきたいと思います。

○長谷川政府参考人

お答え申し上げます。今委員が御指摘の紙は、当方でも受け取っております。日本の国内におけるカトリック教会の動向等について、外務省としてお答えする立場にございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○中丸委員

受け取ったということだけだと思うんですが。これは、もうほとんど我が国に関する内政干渉、もっと言えば国内騒乱扇動を組織的に行っているようにも受け取れると思うんですね。これが、カトリック教会がという意味ではなくて、こういう宗教活動からどんどん発端を発していった(野村註:議事録はこの通りに記されてる)、昔、オウム真理教という事件も国内にはあったわけですから。

そこまでのものとは思いませんけれども、こういう存在があって、外務省として答えられないということであるとは思うんです。国家公安委員長、こういった国内でのそういった、もちろん信教の自由は大事にしないといけない、言論の自由も大事にしないと。しかし、こんな明らかな反政府活動的なものになってきたものというのは、どういうふうに考えていったらいいんでしょうか。御所見をお伺いいたします。

○古屋国務大臣

これは、まず一般論として申し上げますけれども、やはり、諸外国からいろいろな対日の諸工作が仮にあったということで、そういったことは、実は平素から相当我々も関心を持って、警察が必要な情報はしっかり集めています。具体的な中身の言及については御容赦ください。その中で、具体的に違法行為というものがあるということならば、私たちは厳正に取り締まっていく、こういうことが警察の基本スタンスであります。

上を要約すると、「バチカン市国から指名されて日本に配属されている」司教が、「完全な反社会活動と言わざるを得ないような」言動をしている。「昔、オウム真理教という事件も国内にはあった」「そこまでのものとは思いませんけれども」「こんな明らかな反政府活動的なものになってきたものというのは、どういうふうに考えていったらいいんでしょうか」。

それに対して、国家公安委員長は、「一般論として申し上げますけれども」「平素から相当我々も関心を持って、警察が必要な情報はしっかり集めています」と答弁しているのである。

※本記事は、2019年4月刊行の書籍『マネジメントから見た司教団の誤り』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。