これは私たちにとって、まったく奇跡としか思えないことでした。でも、奇跡が現実に起こり、実際目で確かめて、これはもうこの先生のおっしゃることをただただ忠実に守っていくしかないと思っております。

今では、この間まで諦めかかっていた主人の病気の治癒が、目前にあると確信しております(後略)。

昭和61年6月3日(火)NB先生の本で出会った玄米菜食、マクロビオティックを始めたのはこの頃だ。無農薬野菜を購入し、玄米、小魚、ひじき、根菜類中心の食生活が始まった。

泥付きの野菜を洗うこと、手間のかかるマクロビオティック料理は、大変だったが、味はおいしく、1歳の娘の好物は納豆とひじきに変わった。

私が一番好きでよくつくったのは、レンコンをおろして海苔で包んで油で揚げたもの。本当に手間はかかった。でも、おいしかった。

玄米菜食を続けていて、善一さんも私もかなり体重が落ちた。私は7㎏くらい。善一さんは、病気のせいもあって、最終的にはなんと35㎏も減となった。

痩せすぎだが、しかし、善一さんが車椅子になったとき、この体重だったから、私が抱えて車に乗せることができたと言える。

社宅の近くに小さな商店があり、そこの奥さんが私にある宗教団体に入るようしきりに誘いに来るようになった。よく買い物に行く店だし、もともとは気のいいおばさんで、私は嫌いではなかったが、勧誘のあまりのしつこさには、ほとほと参った。

こうやって、家族に病人がでたと聞くと、親切心だろうが、人の心の敷地内にずかずか踏み込んでくる。

気を遣いながら、必死に断り続けた記憶がある。