このように模範となる企業を見つけて、自社風に改良しながら業務、ブランディング、サービス、ミッションなどをつくり上げます。たたき台がないとイメージがしにくいので、カンニングは私の得意分野かもしれません。

また、ザ・リッツ・カールトンも私たちがカンニングする対象になります。”ゴールドスタンダード ザ・リッツ・カールトン”でGoogle検索をしてみてください。カンニングのソースが山ほど見つかると思います。

優れたマーケティングは、ザ・リッツ・カールトンのような理念から始まる社員参加でつくられるクレド(信条・志)などが重要になります。企業が一体となって同じ方向に進む必要があるからです。

そして、ザ・リッツ・カールトン自体がマーケティングの本家米国の企業であり、マーケティングが得意な会社です。成果を出している企業を深く探り、徹底解剖して、自社のマーケティングや経営に役立てる作業は、とても重要だと私は考えます。

この一連の流れを「ベンチマーク」すると言いますが、その対象は異業者でないと意味がありません。

同業者を真似ることを「近親相姦」と我々は揶揄(やゆ)しますが、それほど危険なことなのです。

フライングとカンニング、この二つでイノベーションを起こすことも可能です。しかし、経営を決定づけるものではありませんので、フライングとカンニングをして自社の価値に沿った独自の商品・サービスをつくるべきです。

もちろん、決断が遅いとこういった効果も無に帰します。時間の使い方こそが人生で重要なように、企業も有効な時間の使い方をしなくてはなりません。

市場がある程度熱を発するようになってから行動しても、競合が参入してきたり、資金力に物を言わせてくる大企業が出現して良いところをかっさらっていったりと、小さな会社にはデメリットしかありません。

ほかより早く始動する。その源はカンニングした優れた企業のマーケティングのアレンジ作。それがあなたの会社の独自性が開発されるスタート地点となり、友だちを絞るとフライングもカンニングも容易になります。

結果、迷うことのない決断を経営者が行えます。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『惹き寄せるチカラ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。