腕に覚えあり

麻雀歴60数年、思えば小学校の低学年に家庭麻雀を覚え、それから中学校から高校時代はする機会がなく、大学時代は学校にも行かずに途中下車して梅田で友人と待ち合わせしては麻雀三昧、おかげで腕は非常に上達しました。社会人になっても週に3~4回のペースで麻雀を楽しんでいましたが、いまでは悲しいですがメンバーも集まりません。そのため、卓を囲む機会がまったくなくなり寂しい限りです。

麻雀はゲームとして考えたときは、組み合わせは無限の可能性があり、ルールはあっても定石はありません。

牌の種類は、3種類の1~9の数字と字牌と呼ばれる7種類の牌が各々4枚、合計136枚でいろいろな組み合わせを楽しむゲームです。

麻雀の歴史は紀元前までさかのぼるといわれます。その歴史は数千年とのことです。牌の種類は、マンズ、ピンズ、ソーズには、それぞれルーツがあり諸説あります。マンズは紙幣、ピンズは硬貨、ソーズがそれらをつなげるヒモという説があります。

他方、1ピンは月、北斗七星が7ピンと天体を、ソーズは赤い部分が幹で緑が葉で植物を、マンズは人だとの説もあります。字牌の東西南北は、字のごとし方向、白発中の三元牌は季節で、白は雪で冬、発は緑で春、中は赤で秋をあらわしているという説です。違う説として、白は白虎、発は青竜、赤は朱雀だともいわれます。いずれが正しいかはわかりません。

麻雀をすればその人の性格がわかるとよく言われますが短気な人、優柔不断な人は確かに打ち方に出ます。そのため長年お手合わせをしていると相手の癖が読めて予測が容易になりますが「駆け引き」と「つき」の要素が複雑に絡まり、そのつど違う面白みが加わります。

麻雀は推理のゲームであり、「駆け引き」と「確率」を楽しむ大人のゲームです。仕事でよくPDCAサイクルという言葉が使われます。PLAN(計画)DO(実行)CHECK(検討)ACTION(対応)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法です。まさに麻雀ゲームの組立そのものです。

牌が配られ、その牌から自分の狙いを予測し(PLAN)、毎回パイを積もる(DO)、当然相手が2人か3名いるので局面が刻々と変化(CHECK)、それに対応して自分がどう進むのか考える(ACTION)の繰り返しです。

単純なゲームで、大所から常に局面を把握し、確率のもと的確に判断していけば、そう難しくはありません。

ただ、その時々の運、不運が少なからず影響することは否めません。牌の組み合わせは無限といっても、種類は1種類が4枚で総数136枚しかありません。

あとは確率の問題と運が左右するだけです。ゲームに負けたときは「つき」のせいにし、勝てば自分の実力、腕のせいにすれば麻雀も楽しいゲームです。年老いて興じれば、手先の運動で中風よけになり、頭脳の体操になるので、これからも機会があれば続けたいです。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『未来なに彩』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。