「誰と友だちになるのか?」と「友だちの求める価値は?」

これまで私が繰り返し口にしている「友だち」を、マーケティング用語では「ターゲット」と呼びます。そして、このターゲットを掘り下げると「ペルソナ」と言われる架空のターゲットの生活パターンや価値観が浮かび上がってくるのです。

これらをマーケティングの神様ことフィリップ・コトラーは、マーケティング2.0で解説しています。現在は、マーケティング4.0の時代で、『コトラーのマーケティング4.0』という本が出版されています。

マーケティング1.0は、1900年から1960年代の、市場にモノが不足している時代のマーケティングで、今回、私の説明している「誰と友だちになるのか?」と「友だちはどこにいるのか?」は、1980年代のマーケティング2.0です。

一言で言えば、差別化のマーケティングとなります。

なぜ、いま1980年代のマーケティングなのか?

マーケティング1.0の概念の上に2.0が乗るわけで、それが4.0の現代までの土台になります。私はさらに、ウィズコロナのマーケティングやアフターコロナのマーケティング概念も現実的には構築する必要もあると思います。

テクノロジーの進歩によって生活が進化した結果、生活者のライフスタイルも日進月歩で変化していくので、それに対応するためにマーケティングもブラッシュアップをしなければなりません。

ですが、現実的に私の触れる小さな会社のほとんどのマーケティング概念は、1.0のままです。とても残念なことであるとともに、私がこれらの著書を書く理由でもあります。マーケティングを小さな会社に伝授するのが私の使命であり役割と考えるからです。

話が逸れましたが、人間の欲求は、一度満たされると欲求ではなくなります。ですから、ユーザーの求める価値も変化する。であるなら、売り手も変化しないと企業は成長しません。

また、このような社会情勢では、過去の成功など何の意味もありません。原理原則を守って新しいことに挑戦した企業だけが生き残れる時代になります。

そして、ここで注目していただきたいのが、小さな会社ほど変化しやすいということです。変わることのリスクやコストが小さい。これが「小さな会社」の利点なのです。

「誰かがやってからやる」なんて考えの経営者では、これからの経営が困難になるのは火を見るより明らかではないでしょうか。