変化の多い環境でも、物事を前に進める

新しいことに対して受け入れる能力が高く、変化に適応するために、必要かつ実行可能な対応を提案している。

過去に拘らず、新しいやり方を考え、試す場所を見つけ出して、実践している。優先度と緊急度を目的に応じて整理でき、状況によって最適なアプローチを提案できる。

このような行動特性を持ちあわせていることは素晴らしいと思う。リーダーや管理職としては、共感を得やすいと思うが故に、常に変化に備えた行動を取っていたいだろう。

しかし、チームや組織を見まわしてもらうとわかると思うが、変化を嫌うセグメントが存在する場合がある。そういうセグメントへの影響力を持っているタレントは心強い。

しかし、変化を好む特性を持ち合わせていることが多いため、変化を受け入れられないセグメントを悪者扱いするような部分が見てとれる場合は、成熟度が足りていないと思われる。

この反対勢力と呼ぶべき集団を上手くコントロールできる能力を強化することで、成果を出すタレントに変身する。反対勢力が脅威になるのは、絶対にそうなるとは言いきれないという言葉やいかにも正論というものを盾に向かってくる、あるいはなり振り構わずの状況になったときである。

変化が正しいこととは誰しも証明するのが難しい。正義感の強いリーダーは、正確性に乏しいことを全面に出すことが苦手なことが多い。嘘は言えないから、そこでその主張に付き合ってしまうのだ。

これでは戦えない。組織として今後起きる変化の影響を評価しきれていない状況もある。また、組織の目標が外部変化の影響を受けにくいような場合は、わざわざ変える必要がないという考えを持ってしまいがちである。

考えがあってやっているのであれば、それはそれで良い。

創設して間もない組織や転換期や変化の激しい組織に欲しいタイプである。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『管理職魂』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。