ビジネスシーンにおいて「友だちはどこにいるのか?」

マーケティングは魚釣りに似ていて、魚のいないところで糸を垂らしても魚は釣れません。また、海・湖・川のどこにでも魚がいるわけではありませんし、釣れるポイントや時間や時期があります。

さらに、魚の習性を知らなければ釣りになりません。その魚の習性に合った仕掛けが必要です。もちろん、経験も。

しかし、魚のいる釣り場は名人や多くの釣り人であふれかえっているので、未熟な釣り師では成果を得られません。たとえ知識を蓄え、ツールも用意していても、小さな視野では対抗できません。

ですから、小さな会社には対応が難しいのです。よって、自分だけの釣りができ、かつ適量を釣り上げるのことのできるポイントを探し、釣り方を考え、ツールを開発しなければなりません。

このように「友だちはどこにいるのか?」というテーマは、自社のターゲットが「どこの場所で何を求めているのか?」「どんな価値を尊重するのか?」などを探ることです。

BtoBなら、「ネット上で出会えるのか?」、「どんなセミナーや展示会に興味があるのか?」、「商工会議所などの主催する異業種交流会で出会えるのか?」、「どんな専門誌を見ているのか?」などを検討する必要があります。

BtoCならSNSやマスメディアなどだけではなく、無数に顧客との接点があるでしょう。

例えば、「費用はかかるが専門誌に広告を出すと反応が良い」、「毎年あの展示会では反応が良い」、その反対に「あの媒体は反応が悪い」など、さまざまに挑戦してみて、友だちの層に受け入れられる居場所を利用するのです。

単純に商品広告をするよりも、「イメージ広告のほうが食いつきが良い」、「テレビよりラジオのほうが良い」、「2時間のセミナーより5時間のほうが集客がラク」、「平日より土曜祝日開催のセミナーのほうが意外と実益につながる」など、友だちの居場所、すなわち接点を見つけ、細かく分析すればビジネスは好調に成長します。

「1度でなく、複数回連続しないと効果がない!」などのケースもあります。この意味において、マーケティングはテストとよく言われるのです。

広告などの評価は、友だちである潜在顧客が決めることです。会議室の人たちや経営者が決めるのではありません。しかし、広告はあくまでツール。手段であり目的ではありません。

広告より重要なのが商品開発です。マーケティングを考慮して商品開発・サービス開発・製品開発を行う。つまり、魚の居場所を見つけて、餌を食べてくれる方法を考えたら、その餌・ツールを開発しなければなりません。

消費とは、売り手が決めるのではなく、買い手が決めるものです。良い商品が売れるのではなく、安いから売れるのでもありません。