第2章 HACCPは、今

(3)HACCPグローバルスタンダート

(HACCP支援法・義務化法案/厚生労働省)

① 食品業界の「安心安全は価値」であることとは?

近年、食品業界では「安心安全は価値」であるという時代に変化してきましたが、それによって、「HACCP(ハサップ)」に、注目が集まっています。「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)」が、注目されている理由としては、食品の安全性を確保するための基準となり、具体化ができるからに他なりません。

加えて、HACCPが注目されている要因としては、次のようなことが挙げられます。

・厚生労働省がHACCPの義務化を推進していますが、それは2020年のオリンピックで世界のアスリートたちをサポートする食への安全性を確保することは当然ですが、同時に世界に日本食の安全を周知するねらいがあるでしょう。しかし、中小の食品関連企業に戸惑いがあることも見逃せません。

・農林水産省では、「JFS規格」により、日本発の食品安全管理規格の推進を始めています。それは、JFSMにより、輸出や国内食品安全の普及をより有利にするため、可能な限り推し進めたい意向がありますが、「HACCP」がその基盤になります。

・さらに、国際食品安全規格GFSIの承認を得る事により、HACCPを超えた管理システムで原材料から食卓までの安全を確保し、グローバルカンパニーおよび全国流通における食品安全の指標にして、食品関連業界の安全性への底上げをしたいという方針があるためです。

2015年、東京都の依頼によって、エコアは、「東京都食品衛生自主管理認証制度取得支援講習会」の講師を務めさせていただきました。予想もしないほど数多くの企業が来場し、企業の担当者たちは今後の食品品質管理の向上に関心をもたれ、真剣な表情で取り組み講習に参加していました。

つまり、それは筆者が2010年に書籍において、食品について「安全が価値」である時代へ向かうということを述べましたが、これらが具体化され、さらにその安全性の向上に対する取り組み方によっては、食品に関連する企業の死活問題にも発展する可能性があり、その危惧感の表れとみることができましよう。

また、この背景には、HACCPの支援として農林水産省で起案された、「HACCP支援法」が普及されてきており、厚生労働省では2018年にHACCP義務化法案が制定されることが予想されているからです。

・HACCP導入のメリットとは?

HACCPを導入するメリットで、次のようなことが導入企業より挙げられています。

・クレームやロス率が上がり、品質のばらつきが少なくなった

・取引先からの評価が上がった

・衛生管理のポイントを明確にして記録も残すことで従業員の経験や勘に頼らない、安定した安全な製品が作れるようになった

・工程ごとに確認すべきことが明確になった

・従業員のモチベーションが上がり、現状の状況が把握しやすい

加えて、HACCPだけでなく、FSSC22000(ISO22000およびPRP(前提条件プログラム)をFSSC追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステム)の準備段階ともなる都認証を、品質管理の登竜門として導入していくことは今後の食品業界の衛生レベルを引き上げるきっかけにもなります。中小企業であっても導入しやすい都認証を取得し、今後HACCPやFSSC等国際的に通用する規格まで見据えて、活かせる企業が増えれば幸いと考えます。

※本記事は、2018年6月27日刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋、再構成したものです。最新の情報・法令・税制等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

※本記事は、2018年6月刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。