青春時代とは「いつ?」というのはよく議論されますが青春は年齢には関係ないと考えます。

万物生あるものは必ず毎年歳をとり老化現象が進みます。極論すればこの世に生まれたときから老いは始まっています。残念ですが見かけの老いからはなかなか逃げることはできません。

でも、精神論、つまり考え方は自分の努力や工夫することで常に感動する心を持つ青春を維持できます。人生100年時代へ、団塊の世代も見かけの身体つきはまったくの中年いや老年です。

でも心は「若者たち」の詩のように、「夢」と「希望」を失わずに残された人生を悔やむことなく、楽しく有意義に過ごしましょう。

美空ひばりさんの『川の流れのように』はメロディーも哀愁を感じ、詩とマッチしています。淡々と人生を語った歌詞は素晴らしく、この楽曲が映画になり公開されました。監督はこの歌の作曲家秋元康さんです。

新聞記事を読むと、監督がこの曲をレコーディングしたとき、美空ひばりさんが「人生って川の流れのようなもの、急だったり穏やかだったり、川幅が広かったり、狭かったり、人それぞれ、いろいろな人生よね」と言われたとのこと。この川のイメージを想うと、中国大陸の黄河かな? 大阪の淀川では不似合いですね。

人生決して悪いときばかりではありません。ふと立ち止まって人生を振り返りたくなったとき、この映画を見て下さいとのコメントがありました。東宝で2000年に森光子さん主演で公開された人生ドラマですが見そびれましたし、その後も楽曲のように話題にならなかったのが残念です。

私の好きな詩ベスト3は、『悲しい酒』『愛燦燦』『山河』です。いずれも歌唱力が必要な曲ばかりで、メロディーも歌詞も、なにか心に響くものがあります。絵の出るCDカラオケの機器を購入し、初めて練習に取り組んだのが美空ひばりさんの名曲『悲しい酒』です。家族はなんでいまさらそんな難しい曲をと不思議がりました。

『悲しい酒』は、独特な節回しの演歌、艶歌、怨歌、名曲です。この歌をギター伴奏で、頬に一筋の涙を流しながら、超スローテンポで熱唱されているひばりさんの姿が脳裏に焼きついています。ひばりさんのように気持ちを込めて歌えませんが、できる限り詩を理解し、聴き手に心情を伝える気持ちで歌っています。

なかでもこの歌の3番の歌詞がお気に入りですが、1番と2番の間に入る台詞には閉口し、無言を通しています。男性があの台詞を語れば照れから興ざめで、やはり女性の詩と強く感じます。東京銀座に姉妹で経営されていた小さなラウンジがあり、ママのピアノ伴奏で歌っていたのが懐かしいです。『愛燦燦』も『悲しい酒』と同様に感情表現豊かな美空ひばりさんの歌で、やはり深く感動を受ける楽曲です。