何とも痛ましい人生を日本人は長い間、過ごしてきたことでしょう。どう考えても自然界における生物・人間としてみたとき、あまりに不自然な姿ではないでしょうか。

しかし人間らしく生きたいと思っても、地方では収入があげられず、人間らしく生きられない。収入と人間らしさの両立はいかにも難しいテーマでした。

それが、新型コロナをきっかけとして、両立する方法を見出したのです。東京圏に住む3700万人(国連統計)の人々は、人間らしく生きる可能性に気づいた人が数多くいるに違いありません。

本書に目をやっている人だけではなく、多くの人が人間らしく生きる道を探し当てることでしょう。どこにいても仕事ができる時代を迎えれば、自分の求めるライフスタイルに合った土地に移住することになります。

いま、大都会にいる優秀な人材で地方に移り住む人がたくさん出てくるでしょう。優秀な人材を集めることができなかった地方にチャンスが生まれ、活性化の道が開かれる可能性があります。

東京圏には世界最大の人口が集まっていますが、現在の3700万人の3%、111万人が地方に移転するだけでも大きな変化が起こります。生活コストの低下を獲得することで、積年の課題である出生率の上昇も期待されます。

14世紀のパンデミックが引き金となり、人権が見直され、ルネッサンスが花開いたように、今回のパンデミックは、ワークスタイル・ルネッサンスを実現していく可能性があるのです。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。