信じがたい計算結果。だが驚かない人

本当に、こんなことがあるのか? 成立するのか? いつまで経っても信じがたい計算がある。

【問題】地球を表面に凹凸のない真ん丸な球とする。その球を隙間なく一周するロープがあるとする。そのロープの長さを1m長くする。同心円でその球の周りをまわすとすれば、隙間Sはどのくらいの長さとなるか? ロープが長くなれば、地球の表面より宙に浮くことになる。ちなみに地球の半径は6371kmである。

【答】15.9cm

球の半径をRとすると、球の円周は、

円周=直径×円周率(n:3.14)=2×R×n1m

ロープを長くした円周=2×R×n+1

球から均等に浮かせた距離をSとすると、

球からS(単位は、メートル)浮き上がった円周=2n(R+S)

2n(R+S)=2nR+1

2nR+2nS=2nR+1

2nS=1

S=1/2n

S=1/2×3.14

S=0.159

なんと、15.9cmもロープは浮くことになるのだ。不思議、納得できないので実験してみた。公園の広場や部屋の中で、ロープで輪を作ってテストしたが、S=15.9cmとなり、元の半径の長さには依存しないことが解った。

つまり、地球の半径6371kmとは無関係。上の問題設定は、まぎらわすために示したものだ。地球の円周に1mをプラスしただけで、15.9cm浮く。数学の先生やアメリカとかオーストラリアからの留学生に、この問題を解いてもらったが、むろん答えは同じ。驚いたことは、いずれの人もこの結果に「驚かなかった」ことである。