自分の感情に影響を及ぼすものを体系的に理解し、対処法を考えて、実践するようなアプローチである。苦手な人や本当は付き合いたくない人も良い意見を持っていたりするわけであるから、こういう人たちと付き合うときに、自分の気持ちを切り離して、良いアイデアや意見の本質を理解するということに役立つ。書いてしまうと簡単に思えるが、これがとても大変なのである。

まず、人から何か言われるとどうしても我慢できなくなるタイプの人には大きなストレスになる。人は誰しも、なぜか相性が合う、また逆に全然合わないタイプのキャラクターがいる。とは言え、相手を変えることはほぼ不可能である。

それは頭ではわかっていても、身体がついていかない。何で「あんなに奴に言われたい放題言われなきゃならないのだ」という気持ちにもなるだろう。多様性を受け入れることができないのであれば、リーダーなんてやらない方がいい。

誰だって、好きな自分でいられる時間は長い方が良い。とは言え、リーダーだって人間なのである。疲れたらリフレッシュや休息は必要である。モチベーションマネジメントの引き出しは多ければ多いほど良い。熱い気持ちを持った人にリーダーをお願いしたいものであるが、外からみて感情の起伏の激しい人は敬遠されがちである。我慢するということではなく、己を知り、己を適切にコントロールできる人間には、どんな苦境でも乗り越えてくれるという期待を抱いてしまう。