■初心に戻って、自分を勇気づける

想定読者は、就職活動を扱うので大学生のように見えますが、社会人にも十分に適応できます。

就職活動に向かうあり方(How to be)は、社会人にとってみれば原点です。初心に戻るということです。社会人になって挫折や苦労が多く、心が折れるような場面では、この原点(初心)に戻ることが、復活のきっかけになります。これは、アドラー心理学の観点から言えば、自分に対する勇気づけです。初心という原点と現実とのギャップ(困難)を乗り越えていくことです。

当時の純粋な熱い思いで魂を鼓舞すること(やる気のスイッチを入れること)です。アマゾンの創始者ジェフ・ベゾスの決まり文句に「Day1!」があります。これは、常に初心に戻ることを意味しています。新入社員の初日(入社式)に、どんな思いで会社の扉を開けたかです。

期待、挑戦の思いで満たされた働く目的を金科玉条のごとく尊ぶものだと言うことです。社会人になると仕事のやり方(How to do)は入念に教えてもらえますが、就活に向かうあり方(How to be)の問いかけに対する答えは、誰も教えてくれませんので、キャリアの節目や転機では、自問自答する必要があります。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『もし、アドラーが「しゅうかつ」をしたら』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。