崩壊、終焉、世紀末

1990年代初頭にバブル経済とソ連が崩壊し、大手企業、とりわけ日本経済を先導していた金融関係が土地価格や株式価格などの暴落によりダメージを負い、あらゆる日本企業は資金面で余裕がなくなりました。

下がることがなかった資産価値が下がり、大蔵省護送船団方式と比喩されていた銀行が倒産し、日本神話はバブルの崩壊を機に大きく変化しました。

過去に経験したことがないことが次から次に起こりました。日本のほとんどの企業は中小企業で過小資本ゆえに金融関係から融資を受けて経営しています。

それは他人資本つまり借入金依存の典型的な日本式経営です。ところがバブル崩壊で土地評価が下がり、担保力が低下し、それにより運転資金を手当てするどころか、担保不足で借入金の追加返済が生じるという悪い現象が日本各地でおこりました。

そのため企業倒産が多くなるという負の連鎖がおこりました。土地価格や株式価格の下落による資金不足や内需不振などの雨雲が覆っていった一連の景気後退は平成の大不況といわれます。

1997年(平成9年)は国内外でいろいろな出来事がありました。福井県三国町沖のロシア船重油流失事故に始まり、香港の中国への返還があり、社会面でも暗いニュースがあとを絶ちませんでした。

また経済面においては韓国、タイ、インドネシアなどの東南アジアを中心に通貨不安が発生し、日本でも4月の消費税率引き上げ後に経済状況のさらなる不安定化がおこり、銀行、保険、証券界を含む上場大手企業の倒産などバブル経済崩壊後最悪の経済状況に陥りました。