しかし、抗うつ剤は万人に効くものではなく、2019年11月NHKで放映された『うつ病を生きる新常識』という番組の中で、獨協医科大学の井原裕先生は、抗うつ剤を処方した5人のうち3人には効果があるものの、その3人のうち2人は偽薬(小麦粉)を飲んでも効果があるというデータを示していました。

要するに、抗うつ剤で改善した人は5人に1人の20%であったとのことです。改善した人がたったの20%って、少ないと思いませんか?

うつに対しては、考え方を変え、周りの人にあいさつをしたり、自分を褒めてあげるようなポジティブな行動変容を起こすことが最も有効だとのことでした。

抗うつ薬のさまざまな副作用を考えると、薬に頼らず、行動変容を起こすことを促す方が望ましいと思われます。この番組を見て、精神科の薬もその程度の効果しかないことに、私自身すごく驚きました。

一日に20種類も30種類も薬を飲んでいて、薬が非常に多いので、薬でお腹がいっぱいになってしまって、食事がとれないと言っている患者さんに時折遭遇します。

そのような患者さんは自分が何の薬を飲んでいるかを把握しておらず、いろいろな病院・医院で処方された同じような薬を飲んでいました。

意図もなく、わけもわからず薬を飲み続けるなら、栄養のある食事をとった方がいいと思います。

もちろん、処方している医師に無断で薬をやめてしまうのは問題ですが、ただ処方された多くの薬を何の疑いも持たずに飲み続けるのは、残念ながらやぶ患者と言わざるを得ないと思います。

たくさんの薬を飲まれている方は、一度何の薬を飲んでいるのか確認されることをお勧めします。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『やぶ患者になるな!』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。