コンピテンシーとは

コンピテンシーとは、職務遂行能力の高い、いわゆる「ハイパフォーマー」を研究して、どういう特徴(行動特性)があるのかを分析し、カテゴリー毎に分けたものである。

もちろんハイパフォーマーが研究対象の集団であるから、多くの特徴が認められると思われる。コンピテンシーを活用する際には、いくつかのポイントがある。

まずは、

(1)人ごとに活用方法を考える

ということである。面倒だから、役割ごとに必要な部分に重きを置いて、フォーカスする方法が一般的である。つまり、ざっくりと管理職になるまでの集団、管理職そして経営陣というように必要なエッセンスを取り出して、だいたい8個とか10個とか組織毎に設定するわけである。

しかし強調したいことがある。大事なことは個々に成長を促すツールとして活用した方が良いということである。

そして、

(2)選んだら、自分のチームや組織の目標やミッションを踏まえて、それぞれのコンピテンシーを強化することを念頭に置きながら、具体的なアクションプランを考える。

(3)アクションの達成基準を客観的なパラメーターに置き換えて、変化を評価する

ことである。要は達成基準を課すということである。

何も営業にだけノルマを課しているわけではない。数字という組織として、色々な努力の結果増えていくと思われているパラメーターを選んで、最終的に売り上げとか、そんな風に設計されている必要がある。

もしそれがつながっていないのであれば、闇雲に設定された基準という説明になる。

コンピテンシーは、WHOでは3つのカテゴリーに分類されている。

コア・コンピテンシー(ベースとなる好ましい行動特性)

マネジメント・コンピテンシー(コアコンピテンシーに加えて、管理職として期待される行動特性)

リーダーシップ・コンピテンシー(組織のリーダーシップメンバーに期待される行動特性)

私は何も分ける必要はないと思っている。名前を聞いただけでも、そう思う。どれも大事なエッセンスなのである。何かにつけて分けるのは本当にいいことなのだろうか。

人はそれぞれに秀でていることもあるし、どういうわけか(生い立ちを知らないから)やたらと視点の高い若い子もいるわけで、むしろそれに気付かない方が勿体無いというものである。

例えば、「成熟したコミュニケーション」は万人に共通な重要な行動特性である。シニアマネジメントになったからこのコンピテンシーの開発ニーズがないというわけではない。