多分、脳内ドーパミンという快楽物質で満たされていたのではないかと思う。因みに過剰に出てしまう病気が躁病と聞いたことがある。どちらにしろほどほどが宜しいのかと思う。この翌日も仕事が終わるや一目散にパチンコ屋に飛んで行った。この日もとんでもないことが起こった。なんと千円で三万円も勝ってしまったのだ。これは凄い。

一日三万円以上勝てば一月約百万円は勝てる。仕事なんかより全然稼げるのではないか、と私は思いきり勘違いした。そして、朝から打てば一日二十万円は勝てるのでないかと本気で思ってしまったのだ。大馬鹿者である。翌日は休日だったので朝からいそいそ出向いた。初めてパチンコ屋の開店前に並んだ。そこにはすでに老若男女、二、三十人位は並んでいた。

煙草吸ったり、友人と話したりと銘銘の待ち方で早く店が開かないかと待ち望んでいた。大体、パチンコに嵌るような人は研究熱心の人が多いように思う。毎日パチ屋に通い台の当たり回数等を分析して予測している人も多いのだろう。パチンコ雑誌も多数出版されていていかに攻略をするかなど分析していた。

そんな訳なので開店と同時に分析した結果を検証するように台をゲットするのが最大の攻略法なのである。ただ、この方法が有効かどうかは追って知ることになる。しかし、なんとこの日は大負けしてしまったのだ。

パチンコは研究したところで確率の壁は崩せないと言うことを嫌というほど学んだ。とうとう昨日の勝ち分三万円は既になくなり五万円負けさすがに動けなくなるくらい落ちこんだ。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ショー失踪す!』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。