ただ一人 広き校舎に 寝ねし夜は 窓打つ雪に 目ざめていたり
国電が 上を過ぎ行く 教室に 商法教える 講師ぞ吾は
死体解剖の 寒き部屋にて 失神せる 若き級友に コートをかける
※本記事は、2012年6月刊行の書籍『日々、燦々と』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
日々、燦々と【第21回】
50年近く弁護士として活動した著者の急がず、惑わず、実直に生きた78年間の人生が詰まった短編集。
先行きの見えない不況や震災などで何かと暗い話題が多く、希望や生きる活力が見いだしにくい世の中にあって、生きることの素晴らしさ、日々の美しさをもう一度気付かせてくれる短歌集を連載でお届けします。
ただ一人 広き校舎に 寝ねし夜は 窓打つ雪に 目ざめていたり
国電が 上を過ぎ行く 教室に 商法教える 講師ぞ吾は
死体解剖の 寒き部屋にて 失神せる 若き級友に コートをかける