大坪寛子医療安全推進室長:①のところは、条文上は、小田原委員御指摘のとおり、報告でございます。それを実質的には、まず最初の届出という意味ですよという意味合いで書いてございますけれども、これは条文上は委員の御指摘のとおり、報告でございます。

小田原良治構成員:というと、実質的には報告であるが、これは強制力があるとか、そういう意味の届出ということでございましょうか。

大坪寛子医療安全推進室長:6条の10のところにその規定がございます。

「病院、診療所又は助産所の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第三者機関に報告しなければならない。」

ということで、義務でございます。

小田原良治構成員:実質的には報告と同じと捉えてよろしいですね。括弧で届出と書いてある。

大坪寛子医療安全推進室長:報告でございます。報告しなければならないことになっております。

大磯義一郎構成員:第6条の10の報告に関しましては、これは法律上の問題なのですが、医療法自体が恐らく公法に分類される法律だと思うのですけれども、公法上の義務であって、医療事故調査支援センターは民間施設という立てつけになっておりますので、病院等と医療事故調査支援センターという私人間における義務を定めているものではないという理解でよろしいのかということと、あと、これは罰則規定がついていないという理解でよろしいのでしょうか?

土生栄二総務課長:公法か、私法か、医療法について明確な分類があるわけではございませんけれども、医療法全体の構成といたしましては、病院、あるいは診療所、助産所等に管理者を置くということでございまして、医療資格を持った管理者がいろいろな医療法上の義務を果たしていただくと、そういう構成に全体としてなっているわけでございます。

今回の改正は、その管理者の義務として、報告しなければならないという規定を盛り込んだわけでございますけれども、これ1つに着目して、直接に何か罰則があるといった構成にはなっていないというのが、この医療法の構成でございます。

大磯義一郎構成員:もう一度確認ですけれども、これは公法上の義務であると理解してよろしいのですか。

土生栄二総務課長:医療法上の義務、管理者の義務として定められているということでございます。

※本記事は、2018年12月刊行の書籍『未来の医師を救う医療事故調査制度とは何か』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。