ブレークスルーの考え方

原田講師は続けた。

〈原田〉現状打破のアプローチを進めていく上では次の三つの基本的な意識が必要になります。

3つの意識
1.目的意識
2.価値意識
3.統合意識

一つ目は『目的意識』です。夢や願望のような目的を実現するためには、まずその夢や願望のあるべき姿を求めて明確にすることです。つまり経営に対する願望や自社のあるべき姿、すなわち将来像を明確にすることです。

ここがハッキリすると現在の問題点がクローズアップしてくるので、どうすれば良いのかが見えてきます。

二つ目は『価値意識』です。目的意識によって明確となった〝あるべき姿〟をイメージしながら現状はどのような状態かを見つめ、真の価値観を見極めていきます。

夢や願望の実現のために現状の自社の姿を直視することによって、「現状」と「夢や願望」とのギャップが見えてきます。

三つ目は『統合意識』です。やるべきことが何であるかが分かったので、その解決策の発想、すなわち創造活動に入ります。そしてたくさんの得られた対策案の中から実行に移す『経営課題』の優先順位を付けます。

ここまでのアプローチが初めにお話ししました『課題把握活動』になります。ここでのアウトプットは課題解決のための実行計画書の作成になります。

この実行計画書には、実行計画の概要、実行計画による期待効果、そして実行計画実施の工程が盛り込まれます。本日お集まりの皆さんは、名簿を見ますと全員が管理者とのことです。

管理者のやるべきことは、日常の業務の遂行も大切なことですが、それだけではないはずです。

会社の経営方針をもとに自部門の課題を明確に把握し、企業の「人」「もの」「金」を考慮した上で、その課題の優先順位を付け、具体的な目標と課題を明らかにすることです。

これまでのアプローチを実践の手順に置き換えるとこのようになります。(図-1)

図-1 ブレークスルー思考の手順

今日の午後から明日一日の時間をかけてこの七つのステップを進めて参ります。参加されている会社さんは全て3名以上ですので、午後からはチームごと、つまり会社単位で進めて参ります。