部 人間と社会における技術の役割

第Ⅱ部では、人間と社会における技術の役割を考え、技術と人間・社会がどのように関係を持っているかについて考えます。(第Ⅰ部はこちら:AI(人工知能)と呼ばれるコンピュータプログラムの発展が世界を大きく変えようとしています。

まず、技術が人間と社会においてどのような役割を持っているかを改めて考え、次に技術と人間・社会との関係として、企業における技術開発、技術と経済、技術と法、技術と科学、技術と政策、技術と人間、そして技術者倫理について考えます。

さらに、事故から学ぶことについて触れます。

技術を活用することによって人間能力が拡大していると見ると、人間の持つどんな能力が技術によって拡張されてきたか、そしてまだ人間能力のどんな点の拡張が不十分かを考えることができます。

技術と経済は強く結びついていますが、技術によって経済が変化していくことを動的に考えることができると思います。

技術と法との関わりを考えると、改めて法律は何のために、どのように作られているのかを考えることになり、技術が適切に使われるためにはどんな法律が求められるかを考えることになります。

技術と政策との関わりを考えると、改めて政策とは国民が関わって作っていくものであることを振り返ることができます。

そして、技術は人間の思考や心の成長と大きく関わっていると思います。情報社会の発展はますます人間の脳や心との関わりを考える機会を与えていると思います。

写真を拡大 [図表1] 技術と社会の結びつき

- 1 社会における技術の役割

1. 社会における技術の役割

まず、技術が人間や社会にどのような役割を果たしているか、改めて考えてみます。社会における技術の役割を挙げてみたのが図表2です。それぞれの事柄について、少し詳しく見ていきたいと思います。

写真を拡大 [図表2] 社会のなかでの技術の役割
※本記事は、2019年4月刊行の書籍『人と技術の社会責任』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。