相性の悪い人は回避せよ

一般論ではありますが、「相性が悪い人とは、できれば関わりたくない」というのは、誰もが抱く、率直な気持ちです。それは、偽らざる心情かと思います。

社外の人であれば、無理に会う必要はないでしょう。同じ会社でも、働く職場が違えば、仕事で一緒になることは少ないかもしれません。

しかし、状況によっては、直接関わらざるを得なくなります。その場合は、避けて通れないので、何らかの方法で乗り切る必要に迫られます。

先日、所用で役所に行った時です。例によって、番号札を引いて、順番を待っていました。間もなく、番号が呼ばれて席に着くと、目の前に現れた担当者の第一印象が良くありません。

どう考えても、合いそうにないのです。でも、「担当者を変えてくれ」とは言えませんので、しかたなく要件を伝えました。すると、案の定、話がまったくかみ合いません。とにかく、説明が要領を得ないのです。

何度か繰り返して質問してみるのですが、こちらが知りたいことに関しては、明確な回答が返ってきません。

「知りたいのは、こういうことだというのが分からないのか!」

次第にイライラが募ってきて、爆発一歩手前の状態になりました。以前なら、不満をそのままぶつけていたのかもしれません。でも、相性が良くないと感じている、しかも、窓口の担当者にあれこれ言ってもらちが明かないのは明白です。

そこで、一旦間を置くために、目を軽く閉じて深呼吸をひとつ、次に、口から出そうになった怒りの言葉を、「ゴックン」と飲み込みました。

すると不思議、それまでの不平不満が消えると同時に、角度を変えた質問内容が浮かんだのです。そこで、改めて質問をしてみると、今度は、すぐに知りたい答えが返ってきたではありませんか。

それまで、何もなかったかのごとく、「普通」に返ってきたので、正直驚きました。担当者は、相手の真意を察して、応用を利きかせることが苦手だったのかもしれません。

あるいは、質問に対して、必要以上の説明をしない方針だったのかもしれません。ひょっとすると、相性が良くないと感じて、深入りしてこなかったのかもしれません。

一応、当初の目的を果たすことができたので、素直にお礼を言って、席を立ちました。大人気ない対応をすることなく、こちらが機転を利かすことで、その場をしのぐことができたようです。

この話には、後日談があります。しばらく経ってからですが、担当者から得た回答の中に、決定的な間違いのあることが判明しました。