外国籍について

インドという国は、三権の首脳が真剣に法治国家を目指しているため、公共の福祉に資する政治活動、言論活動が、選挙権を持っていない外国人でも許される国なのです。

国益を踏まえ、社益をわきまえていれば、社会を変える重要テーマでも外国人が口出しできる懐の広さがインドの良いところです。

また歴史的にも、日本という国を信用してくれているので、一企業人の看板でものが言えるのも大きな魅力です。こういうところに、日本国籍のありがたさを感じます。

最近、日本の一部地方自治体が外国人の地方自治への参政権を与えています。政治活動は自己の利益の追求ではなく、公共の福祉の追求なので、選挙権があろうが、なかろうが、麻生副総理が過去に発言したとおり、法治国家日本では、選挙権をもたない外国人でも政治活動ができるのです。

外国籍は投票権なし、という世界の常識が、日本に住む外国籍の皆さんに何か不都合をもたらすでしょうか。

外国籍であっても政治に物申す方法は、公共の福祉に準ずる限り、言論、政治結社の自由として日本の国内法が保証しています。

新興国インドに住む外国籍の私に政治活動ができて、なぜ先進国日本の外国籍のかたに、それができないのか、私の素直な疑問です。

日本の保守言論界では、米国籍の弁護士のかたも、保守に利する論陣を張っています。日本の外国籍のかたに選挙権を与える理由がどこにあるのでしょうか。

日本は、外国籍を理由に国内法を曲げて適用するような、二重基準の国ではありません。選挙権が欲しいのなら、帰化するのが世界の常識です。

一部の政治家のかたの見解に、私は疑問を呈したく思います。インドも政治のパラダイムが変わりましたが、市場経済を機能させるために、政治経済でいろいろな改善点がまだ残されています。

そうしたなかで、「新興国市場を育てる社業」と並行して、「世の中をより良く変える活動」ができることは、この国の大きな魅力です。

私が建議した全長300㎞の環状道路がわずか3年で完成し、その交通システムのために日本から円借款もいただきました。その道路を車で走破すると、充実感が沸き起こってきます。

社業をなすことで国益に資する姿勢は、かつての日本企業の良いところですが、今そうした憂国の日本人に、近頃、あまりお目にかかったことがありません。