アメリカでは小さい子供の頃の教育が最も大切で、多国籍の親に育てられる環境下では

「先生や友達に暴力を振るわない、危険なものを持ち込まない」

という約束が徹底されているのでした。多くの移民で成り立ってきたアメリカにとって、国民を守るのは市民宗教といわれる『アメリカン・ルール』の法律なので、子供の頃から『宣誓』を最も大切な基本として教育されていたのです。

アメリカ生活に随分と慣れた頃、日本を離れ他国にいる意識からか、日本の甘さや、日本の良さに気付くことが多くなりました。

10年ほど前、手塚治虫先生の執筆部屋に行かせていただいた時のことです。案内してくださっていた方が、こんな話をしてくださいました。数多くの作品を描いていた手塚先生に、

「どうして、そんなアイディアが幾つも出てくるのか?」

と質問をした時に、手塚先生はこうおっしゃったそうです。

「宇宙からの目と、虫の目で考えて描いているからね」

私はいつも、物事は一方向からだけではなく、高い目線から、低い目線から、そして、他者の目線に立って、さらに歴史から、地球を分母に考えようと思うようになりました。

 
※本記事は、2020年12月刊行の書籍『きょうは着物にウエスタンブーツ履いて』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。