「人と人との関係を優先する価値観をもつ社会は、宗教的ではなく、道徳的である。すなわち、対人関係が自己を位置付ける尺度となり、自己の思考を導くのである」。「堂々と反論できるということである。日本では、これは口答えとして慎まなければならないし、序列を乱すものとして排斥される。日本では、表面的な行動ばかりでなく、思考・意見の発表までにも序列意識が強く支配している」。(出典:「タテ社会の人間関係」中根千枝 講談社)

「家族が唯一の社会的単位であり、年長が才能の優秀以上に評価され、自然の情愛はしばしば気まぐれな人為的習慣に屈服せねばならなかった、そんな社会である。」(出典:「武士道」 新渡戸稲造 教文館)。

今日、企業はまだ「家族」という姿を残しており、年長である上司に対して礼を尽くし、自分の意見を差し控えるのが、「正しい」という考え方です。このような文化が日本には色濃く残り、文化的遺伝子(MEME)として受け継がれているのです。

オンライン時代の到来によって、これまで芳しくなかった日本人の意識構造に変化が生まれ、日本人の創造性がおもてにあらわれる可能性が出てくるのではないでしょうか。

日本文化は海外にない創造性に満ちています。武士道、茶道、生け花、庭園、建築、陶芸、禅、文学、和食など日本文化は創造性にあふれています。そうした文化を生みながら、日本人の美意識、精神性が今日のビジネスには活かされていないのです。それがオンライン革命によって、タテ社会の人間関係によって底に沈んでいた日本人の創造性が、湧き上がってきたのです。

はじめて日本人が会議という公の場で、自由な議論をするようになったのです。意見交換が活発になることで、企業は活性化していくことでしょう。
 

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。