「そうだな」と、イェヴレムという名の若者が、同じく口の中で食べ物を噛みながら言う。

「テスラに近い年齢で、プランクはドイツのあちこちで研究した。学術界では、誰も彼のことを相手にしなかった。しかし彼は熱の理論科学の分野にのめりこんだ。そして、彼自身も気づかずにギブズが発見した熱力学の理論に到達したんだ」

「ギブズって?」と、新聞記者が尋ねる。

「ギブズは書かなくていい。ついでに言っただけ……そんなに重要ではない。プランクの研究の中核はクラウジウスのエントロピーの概念だったことだけ書いてくれたまえ。もし君が、そのことを説明してほしいと考えているのなら、マスカットワインのピッチャーと、アスピックゼリー一皿では済まされないぞ」

「エ・ン・ト・ロ・ピー」新聞記者は一文字ずつ書いた。