セルビア初紳士クラブ 一九一九年 ベオグラード

「全く君は正しい、我が友よ」新聞記者が言う。

「少なくとも、自分が書こうとしていることについて、少しは理解すべきだ。で、君は、人としてエンジニアとして、友達を少しでも手助けしてほしいな。僕に説明してくれ、先生。第一に、一体プランクって何なの? それから、たかがいくつかの科学の講演でなぜベオグラードでこんな大騒ぎになってる?」

「いいよ、トーザ。ワインをちょっと注いでくれ。それから僕が話している間、アスピックゼリーを一つ残しておいてくれ。だからねえ……プランクはドイツ人で、フルネームはマックス・カール・エルンスト・ルートヴィヒ・プランクあるいはそんな感じの名前で、昨年の冬にノーベル物理学賞を受賞した人物だ」

「本当?」新聞記者がムシャムシャかじりながら言う。

「ちょいと待て、書いとこう」

背後の仕切り席からメモを書くさらさらとした音が聞こえてきたので、アンカはくすくす笑った。