そして、あれはいつだったろうか。突然同期から手紙が届いた。結婚したとのこと。手紙を読み進める内に結婚相手がわかった。

何と、相手はあろうことに、あのおにぎりを作ってくれたメイドのキャロライナさんであったのだ。

現在、同期はキャロライナさんとの間に二人の子宝にも恵まれ、日本の某国立大学で助教授として東南アジアに関する教鞭をとっている。機会があれば、何故キャロライナさんと結婚を決意したのかと聞いてみたい気もする。

でも、それは野暮というものだろう。私が信じて疑わないのは、あの美味しいおにぎりを準備した程の彼女の優しい思いやりの心と、その料理の腕が結婚を決断させる材料の一つになったことである。

だとすると、いやこれは全く「おにぎりコロリン」の世界ではないか、と私は確信しているのだが。