災害の危険度についての情報共有がしっかりとできているため 大井川には三ザウルスで対応に当たり 安倍川(あべかわ)には二ザウルスで 菊川(きくがわ)には最後のザウルスが対応するなどの分担までも事前にしっかりと共通理解され ワンチームで対応に当たるのです

熱中症などについての対応としては 霧以上に(こま)かいミスト(じょう)になって風と一緒に吹き寄せたりして 熱中症になる危険を本人自身に気づかせる方法をよくとります

熱中症が起こった場所が沿岸部(えんがんぶ)であれば海上(かいじょう)でミストになって吹き寄せ 山奥(やまおく)であれば川のできるだけ上流に行ってから川下(かわしも)に向かってそれをやるのです このようなできごとも夏場には同時に何カ所かで起こるので やはり分身で当たることになります

あなたはありませんでしたか 部活動の応援中(おうえんちゅう)や試合中に突然(とつぜん)ミストが()()けてきたような(すず)しい(こころよ)さを感じたことが 私は(ひと)(なつ)に二、三度はそんな涼しさに遭遇(そうぐう)します その時には私は意識(いしき)して水分(すいぶん)補給(ほきゅう)をするようにしています よく見ると私の周りにもそうしている人が何人も見受けられます だから私はそのミストを『スルガザウルスの気付(きつ)(ぐすり)』と名付(なづ)けて(した)しんでいます

異常気象で氾濫(はんらん)危険(きけん)水位(すいい)を大きく()えてしまったはずなのに ついに洪水が起こらなかった時や 炎天下(えんてんか)で運動会や各種(かくしゅ)大会(たいかい)が行われたのにもかかわらず 熱中症などで体調(たいちょう)を崩す人が一人も出なかった時などは スルガザウルスが陰ながら見守っていてくれたからなのかも知れませんね

準備期間まで含めた洪水対応や熱中症から人を守ることなどまで考えると 一つ一つの災害の規模はたとえ小さくても その対応回数は昔より逆に増えています

川では昔のように速くは動けなくなりました 特に大きな川の途中にはいくつものダムが造られましたので ダムがあるたびに一旦陸地(りくち)へ移っては()()えていくので その分余計(よけい)に時間がかかってしまうのです ダムや(せき)には魚道(ぎょどう)(もう)けられているところも多少ありますが (せま)い魚道ではどうしても動きが制限(せいげん)されてしまい やはり乗り越えていくのと同じ位の時間がかかってしまうのです

そのために人を助けられなかった悲しく辛い思い出が スルガザウルスには今までにもいくつかありました

このようにスルガザウルスのことを語ってきますと誰かに「静岡(けん)ばかりずるい!」なんて言われてしまいそうですが 周りを全て海に囲まれている日本には どこにでも湾や()()があります 内陸部(ないりくぶ)にも湖沼(こしょう)(いけ)などがいくつもあって その土地(とち)土地(どち)に生きた人々の夢や希望 流した涙や汗 血や体液なども必ずあったはずなので どの県にも守護(しゅご)(しん)のようなスルガザウルスの仲間は必ずいるのです 実際 相模(さがみ)(わん)にはサガミラスがいて 伊豆(いず)の東海岸にスルガザウルスが間に合わなかった時など 今までにも何度も助けてもらいました