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匿名への情熱

今日、デジタル化によりあらゆるヒト、モノ、コトがつながり、思いもよらないビジネスが生まれる状況に対応するためには、戦略的視点をつかさどる強力な「本社」機能を組織的に構築することは不可欠です。そのためには「コスト・センター」と呼ばれるスタッフ部門に対し、ルーティンワークを超えた独自の「顧客の創造」とイノベーションへの動機付けが必要です。

多くの企業で、経営幹部はスタッフ部門の必要性と有用性を十分に理解していることと思います。

しかし、スタッフ部門の担当者は何をモティベーションとしてイノベーションを生み出せばよいのでしょうか。私の個人的な経験の中で、同僚の成果のために汗をかくことの意義についてさまざまな事例をあたり、見つけたのが、アメリカのホワイトハウスのスタッフのあるべき姿を目指す言葉として紹介されていた

「Passion For Anonymity(匿名への情熱)」

という言葉です。今日のホワイトハウスの基礎を作ったアメリカの政治学者、ルイス・ブラウンローの有名な言葉なのだそうです。

「強い本社」を実現するための、高い専門性と責任感を持って本社機能を担うプロフェッショナルなスタッフを育てるための行動指針がここにあります。そして、匿名のスタッフに敬意を払い、尊重する企業文化を育てることが求められています。