支援団体とセンターの役割分担

支援団体とセンターの役割分担についても一言触れておかねばならない。

厚労省提示案は図2上であり、修正後が図2下である。

図2 支援団体とセンターの役割分担を修正(相談業務を支援団体へ拡充)

厚労省案では、「医療事故の判断など制度全般に関する相談」がセンターのみの業務とされていた。センターにはセンター調査の権限が与えられている。センターが、医療事故か否かの判断について相談を受け、なお且つ、センター調査の権限を行使することは利益相反の可能性がある。相談業務は支援団体が行うべきであると主張したのである。

結局、第3回検討会において、図2下の如く、支援センター、支援団体ともに相談業務ができることとなった。支援団体が相談業務を行えるようになったのは大きな前進である。制度の本質を考えれば、医療事故か否かの判断についての支援は支援センターではなく、支援団体が行うべきものである。

ところが、実際は、多数の相談が支援センターに寄せられているという。センターがセンターへの相談を勧めるとともにセンター報告を勧めるという利益相反業務を行っていることになる。医療事故調査制度を理解すれば、センターに相談が集まるはずがない。多数の相談がセンターに持ち込まれているということは、如何に現場が、未だに、医療事故調査制度を理解していないかということであろう。
 

※本記事は、2018年12月刊行の書籍『未来の医師を救う医療事故調査制度とは何か』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。