炬燵の中で、うとうとしている私に突然恐怖が襲ってきた。それは半端な恐怖感でなかった。このままショーが居なくなってしまったら。こんな苦労して育てているショーが居なくなってしまうなんて信じられない。あってはいけないことだ。

ショーの笑顔が突然浮かんできた。ショーに会いたい。無性に会いたい。

「ショー何処に行ったのだ。帰って来てくれー!」

私は子供のように泣きじゃくった。いつの間にか私は泣き疲れて眠ってしまったようだ。

そんな眠りを覚ますように、突然、電話が部屋中に鳴り響いた。

発見

ここは、私達夫婦が想像さえできなかった公園である。公園の真ん中に、ひょうたんの様な池があるので、通称ひょうたん公園とも呼ばれているらしい。

この公園は家から歩いて三十分以上もかかり、失踪した図書館からは子供の足で十分位はかかると思われる。この場所に来るのは市で主催する夏祭り位で滅多に来園しない。もちろん散歩コースには入っていない。

この公園でショーは発見された。

それも夜の九時過ぎに! どこの公園もそうだと思うが、夜になると人通りが殆どなく、草木などが鬱蒼としており不気味な場所である。特に真冬の今はひとっこ一人いないはず……。

が、池の地下の水銀灯の下で、何やらダンスみたいな変な動きをしている子供がいる。近くにジャンパーは脱ぎ捨てられており、ズボンはおしっこであろうかビショビショに濡れていて、地面に水たまりまでできている。

こんな子供に近づいてくる人影がある。

「ねえボク、ここで何をしているの? お家は何処? お母さんはどうしたの?」

この子供は

「うー、うー」

と言うだけで何も話さない。話しかけているのは、この公園の近くに住むYさん。世話好きな主婦である。知人の家へ遊びに行き、遅くなってしまったのでこの公園を通って近道をするつもりだった。

池の近くの水銀灯、その下で何やら動いている物がある。不気味に思い足早に逃げようと思ったが、何か子供のようだったので不審に思い近づいて行った。

すると小さな子供が一人で遊んでいるらしいので声を掛けた。しかし、この子供は「あー」とか「うー」しか言わないので普通の子供ではないとすぐにわかり、急いで警察に電話したとのことだった。

その頃、私は炬燵の中で眠り込んでしまっていた。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ショー失踪す!』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。