一緒に高校生活を送っていた時代から考えられないくらいの年月が経っている。が、それぞれの性格や言動は当時とほとんど変わっていなかった。

それがまた嬉しかった。踊り場にあった狭い部室、当時の面々、英語劇の演目、いろんなことが思い出され、気持ちは若返った。

飲み放題2時間のお店だったが、気がついたら4時間が過ぎていた。おおいに笑った。なんの屈託もなく、とにかくなつかしくて楽しかった。

この仲間とこれからもっとひんぱんに会って、お互いを刺激しあえるといいなと思った。

不思議な縁

別々のところで知己を得た友人同士が実は知り合いだったということがある。

Y子は大学2年時に通った英会話教室のクラスメイト。同じ年ということもありすぐに親しくなった。

彼女は卒業後しばらく勤めた後、江戸時代から続く醸造業を営む旧家に嫁ぎ、14代目を支えている。調理師の資格を取り、数年前からレストランも経営している。

F子さんはかつて福岡市が募集したイベントの企画・運営ボランティア仲間。もう十数年前のことだ。私より少し年上で頭が切れて交渉事にたけてさばけている彼女は、そのチームのリーダー格だった。今は情報誌を発行する会社でイベントを担当されている。

ある時、F子さんが関係するイベントのことで友人たちに声をかけた。それに行ったY子のことを話していると、F子さんはY子を知っていると言う。

Y子の家の工場見学ツアーやレストランでのランチを企画していて仕事上のつきあいがあると。Y子に話すと、私同様にとても驚いた。一度3人で食事をしようと提案してくれた。

Y子の家は遠くY子は誰よりも忙しいが、ある土曜日やっとスケジュールの調整がついた。私はその日が来るのをわくわくして待った。

ちょっとおしゃれなフレンチのディナーを食しながら、3人でおおいにしゃべった。去年暮れに結婚したF子さんの新婚生活のこと、Y子の家族や家のこと、仕事、旅、趣味、学生時代など、キャリアを重ねた2人との語らいはテンポよく、話題豊富。

いつか一緒にこんな仕事をしようという夢もふくらんだ。心満たされた夜。余韻はしばらく続き気持ちは高揚した。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『思いつくまま』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。