嫌な予感を勝手な理屈で振り払いつつ学食を探す。

学食は定休日だった。嫌な予感的中。「南無大師遍照金剛」と唱えて空海におすがりしても学食の定休日に変化なし。

何てこと……。気分は、もう投げやり。土産物屋が店舗の片隅で、ついでにやっている食堂で、どうでもいいやと和歌山名物・金山寺味噌入りカレーを注文。これのどこに味噌の風味が効いているのか自問自答しながら食した。

気持をリセットして、本日のメインイベント会場に向かう。霊宝館だ。国宝・重要文化財に指定された仏教美術二万八千点を収蔵。もう、ワクワクし過ぎて、往生しそう。それも可なり。

わき目もふらず、仏像展示室へ直行。快慶、キターッ! 運良く、快慶作・四天王像が展示されているではないか。五十㎝の至近距離で鑑賞できる幸せに感謝。

仏法の外敵を睨む憤怒の眼には正義の炎が燃え盛る。ヤベー、危うく視殺されるところだった。両手の指先からは無双の力が迸り、邪鬼を踏みつける両足には仏法の守護者としての揺るぎない自信がみなぎっている。