上手に休憩はとりますが気持ちの面では起きている間は休みなしでした。平日でも、朝方の4時から泣く息子を背負ってあやし、そのまま寝ずに仕事に行ったこともあります。

このように、基本的にはがんばっていない親なんていないのです。保護者の立場に立ち、普段見えない部分でのがんばりを認めあうことができれば素敵です。

余談になりますが、私は主婦の家庭内での働きを時給換算して、一家の稼いでくる人は給料を払うくらいの気持ちが大切だと思います。

「子育て」という立派な仕事です。男も一度は家事育児を経験すれば、多くの母親が一生懸命であることがわかるし「誰のおかげで食わせてもらっているんだ」とは言えないはずだと思うのです。

教師と子どもは、数年の付き合いですが、保護者は、とりあえず成人するまでの20年以上を付き合っていくのです(もちろんそれ以降もですが)。

そこに尊敬の念をもちつつ、協力していけば、「モンスターペアレント」という言葉は今よりもぐっと減ると思います。ユダヤの諺にも、「1人の母親の教育は、100人の教師に勝る」とあります。

何度も言いますが、子どものために、教師と保護者は手を取り合うべきです。

最後に保護者のみなさんにお願いしたいことがあります。それは家庭で子どもに教師や学校の悪口を言わないでほしいということです。

教師のためではありません。子どもにとって「百害あって一利なし」だからです。

子どもにとって親の影響力は絶大です。親が教師の悪口を言えば、子どもはほとんど同じ意見になります。そうではなく、子どもには、人に対する感謝や尊敬の気持ちの大切さを教えてあげてください。

そして叱られて帰ってきたときには、先生が何を言いたかったのかをフォローしていただけると嬉しいです。どうしても納得できないことは、直接教師に話してください。

他にも、教師の目線から見て、「保護者は子どもにこんな話をしてあげてほしいな」というものもたくさんありますが、またの機会があればそこで語り合いましょう。

あなたは、学校教育における保護者の存在をどのようにとらえていますか。そして保護者とどのように関わりますか。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。