この、素直とはとても言えない新聞を若い頃は殆ど苦にせず扱うことが出来るのですから人の手は素晴らしい能力を持っているわけで、その一部を代行してくれるツールなど出来るのだろうかと思うこともありました。

何度も壁に突き当りましたが、生物模倣工作を信じて作り直しを続け、何とか満足出来る新聞コンフォート・リーダーが得られました。それを紹介したいと思います。

先ずは、平置きにした姿を見ていただきます。超軽量の新聞挟みと言ったようなもので、中に新聞を挟んで本のように読むことを狙っています。

元々は、柔だけの新聞を外剛内柔構造にして扱い易くしようという狙いが発端になっています。

 

写真から分かるように、このリーダーは折り畳んだ新聞(A-4サイズ)より少し大きい位で、重さは約90gと軽量です。写真の青い部分はクリップ付きプラスチック・ファイルのクリップ部です。

この種のファイルは、クリップの下端に軸があって、その軸回りにクリップレバーを回転させてクリップを外すとファイルに挟まれ固定されていた書類が緩み、書類を固定する時はその逆の操作をするようになっています。

クリップにつながっている半透明の部分は、クリップ機能部につながるプラスチックの挟み板の一部で、不透明なところは後述の新聞ホルダーです。

このツールの基本構造は、プラスチック・ファイルの機能部と工の字型に組上げた薄い木枠を両面テープで貼り合わせたものということになります。

ツールの厚さは2cm強ですが特に突出部がないため持ち易く、持ったまま、工の字をした表裏仕立ての薄い木枠が開閉出来るようになっています。新聞を挟むためには、先ず、次の写真のようにこのツールを開きます。

新聞ホルダーやストッパーなどいくつかの部品が付いていますが、これらは全て新聞の位置を決め、このツールを扱い易くするためのものです。また、クリップレバー近くに付いている輪ゴムはツールが垂れ下がらないようにするためのものです。

 
※本記事は、2021年1月刊行の書籍『生物模倣工作のススメ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。