女子会

愉快な夜だった。高校の同級生女子でとりとめもなくおしゃべりした。

わが母校の卒業生は愛校心が篤く、同窓生のつながりが深い。35歳になる年に全体の同窓会の幹事をやる。そのためその2年前くらいから集まる。高校時代話したことがなかった人や顔も名前も知らなかった人とも、そこで親しくなったりする。ほぼ1年かけて千人規模の同窓会の企画・運営をすれば、結束も固くなる。そうして同級生は仲良くなり輪が広がる。

毎年1月2日に学年同窓会をやるが、主婦は出席しにくいようで、女子の参加は少ない。今年もその日に会えなかった人が多く、ふと女子で食事会がしたいなと思い、何人かに呼びかけた。1年、2年、3年時のクラスメイトや部活仲間、同窓会活動での知り合いなどメールアドレスを知っている人たちに、食事会のお誘いを流し、それに応じた8人で会食。

集まった人のなかには、いたことは知っているが在校時話したことはなく、卒業後初めて会う、という人たちもいた。ある意味初対面。しかし何の違和感もなく、昔からの友人として会話していた。和食の会席だけではおさまらず、その後ティールームでお茶を飲みながらさらにおしゃべり。そこが閉店にならなければ、まだまだ続くいきおいだった。

子どもは社会人になっていたり小学生だったり、未婚だったり、境遇はいろいろ違うが、10代後半を一緒に過ごした同級生の「根っこ」はあまり変わらない。

ある友がメールをくれた。「それぞれいろいろな場所で悩んだり喜んだりしながら生きているんだと分かって元気が出ました」と。

やってよかったと思った。

お稽古の友とのおしゃべり

茶道のお稽古仲間女性6人で集まった。

3人は今も稽古を続けている。1人は結婚し仕事との両立が難しくなり十余年前にやめている。1人は結婚で東京に行くことになり9年前にやめた。私は去年秋から母の病気のために休んでいる。東京に行った友人がご主人の転勤で福岡に帰ってきたこともあり、集まることにした。1人は30代だが、あとは50前後の似たような年。長い人はもう30年以上茶の道にいる。

まずは、年を重ねて不便になった自らの身体を嘆く話題から。老眼になった、眼鏡を作り変えた、このメニューも読めない、などを笑いとばしながら我も我もとしゃべる。

お茶の稽古という6人の核になることについての話もいろいろ。免状取得についてのエピソード、ずいぶん前に自分たちがやった茶会が大変だった思い出、らく美術館の話。

京都に行ったら必ず樂美術館に寄るという友人。そこの趣の良さを話してくれた。そうすると、京都に行ったら舞妓になりたいと誰かが言い、いつか皆で京都に行って舞妓体験と樂美術館鑑賞という旅をしようという話になった。

また、九州国立博物館の茶室を一般の人も借りられるから、いつかこのメンバーでそこで茶会を、とも。

一番遠くから来ている人が最終バスの時間を切り出さなければ、おしゃべりは終わらなかった。

ここでしゃべった「あそこに行きたい」「こうしたい」という夢が実現するといい。かなえようという励みや楽しみもできた。

やっぱり、人は会って話をするといろんな広がりがあって面白い。
 

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『思いつくまま』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。