ここでORIONS計画の頭文字のいわれについて説明しておこう。

ORITA 織田 この計画の統括者で6人の主人のまとめ役

RISUKE HORIUCHI 堀内利助 ロケットの研究家

ITOU 伊藤 コンピューター研究の第一人者

OOKIKU DAIGAKUの星野 大菊大学の天文学教授

NOUGEKAの本多 脳神経外科で神の手を持つと言われる世界的権威

SAIBOUの中本 iPS細胞の応用技術で人体再生の研究者

この6人の天才たちが、神の領域に踏み込んだロマンを展開する。頭文字からORIONS計画と名付けられた。大宇宙冒険計画の始まりである。

ORIONS オリオン座の左隣、冬の大三角の中にあるクガニタチ星と、昔から言い伝えのある右側のアルタカ星、その第3惑星AL-3を目指す。

織田の全快祝いはもう宇宙出発のことで大盛り上がりである。

織田が酒の勢いに乗って、

「じゃぁー、皆でその1万光年先まで堀内君が作った宇宙船に乗って、中本君が作ったiPS細胞に身体を切り替えて出発するぞー」

「エイエイオー」

「エイエイオー」

「エイエイオー」

会場は沸き立つロマンに包まれた。

6人は高揚して大笑いをしながらも、意外に冷静に考えていた。

3月のそよ風に乗った早咲きの枝垂れ桜の花びらが、6人の上に舞い落ちた。

ここに6人の主人が決意の記念写真を撮った。

この記念写真はその後、顕彰碑のモデルに使われ、宇宙船のコントロールルームの壁と竹取村の研究所跡の記念碑に使われることになったのである。
 

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『U リターン』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。