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リニアより速い社会

新型コロナによって、オンラインワークを体験したことで、物理的距離が消滅したのです。革命的な出来事です。私たちが経済活動を行うにあたって、避けて通ることができないことがありました。それが距離です。私は昔、上海にA4サイズ1枚の書類を届けるために、飛行機に乗り、届けていたことがあります。簡単な打ち合わせ時間も含めて4日ほどの行程で30万~50万円ほどのコストをかけて活動していたことを思い出します。

2001年に日本でもインターネットが普及しはじめ、メールで書類を届けることができるようになり、すごい時代になったものだと思いました。それがどうでしょう。オンラインTV会議で、国境を越えてお互いの表情を確かめながら、詳細な資料も画面に表示をし、打ち合わせをしているではありませんか。先日も、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ラオス5カ国と結んで、協議をしました。その内容は対面会議と全く同じです。

それはある企業の海外進出の依頼を受けて、各国リーダーとの意見交換でした。いわゆる海外進出にかかわるマーケットリサーチです。新型コロナ前であれば、計画を立て、事前資料を作成し、現地国に入り、通訳を入れて意見交換を行い、帰国後、報告書を作成し、詳細会議を重ねて意思決定を行うというものでした。このようなスタイルが〝常識〟でした。5カ国のリサーチにかかる時間とコストは、私の経験からすれば、期間1年と予算500万円は下回らないでしょう。