無事プロジェクトが終了して、準備したビジネスが実際に軌道に乗り始めた頃、待っていたのが、突然の人事異動です。異動先は、今までとは次元の違う部署で、部下もいなくなり、見方によっては左遷とも受け取れる内容でした。

利用価値があるうちは、おだてながら徹底的に利用し、目的が達成されると「お役御免」と切り捨てる。「損得勘定」が透けて見える、あからさまな手法に、当時は驚きを隠せませんでした。「なるほど、こういうことなのか」部下からもらった忠告がフラッシュバックし、改めて、その責任者の恐ろしさを、肌で知ることになりました。

この手の上司は、自分に都合の良いと感じた部下を、最初は相性がいいと思わせて味方につけ、利用価値がなくなると、今度は手のひらを返したように、容赦なく切り捨てます。

部下としても、当初は、相性が良いと勘違いしてしまいますので(させられてしまうといったほうが、適切かもしれません)、「気づいた時はすでに手遅れ」、という結末を迎えることになります。

役に立つ間は「好き」、役目が終わると「嫌い」ということでしょうか。必要なうちは「相性良く」、不要となると「相性悪く」なるのですから、これはもうどうにも始末に負えません。

ちなみに、この責任者に登用されて、実質的に使い捨てにされた社員は、その後も後を絶ちませんでした。
 

※本記事は、2021年1月刊行の書籍『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。